「降る雪や明治は遠くなりにけり」
この句は、中村草田男が昭和6年に詠んだと云われる。
その昭和6年に生まれた者が既に80才となり、昭和は遠くなりにけりの感が深い。
追想は甘美であって欲しいが、この有名な句にはイチャモンが付いた。
付けたのは堀 辰雄で、志賀芥子の「獺祭忌* 明治は遠くなりにけり」の剽窃だという。ヤレヤレ!
* 獺祭忌(ダッサイキ)=正岡子規の忌日
1月の末、三分~五分咲きの熱海梅園を訪れた。
この前は紅葉の頃であったから、梅を見るのは初めてである。
空気は冷たいが、澄んでいて清々しい。

隣接の中山晋平記念館も見る。此処はさすがに年配者の来訪が多い。
日曜なので見物客が増えてきた。

館内に入る。
佐藤千夜子の唄う「東京行進曲」が流れている。
晋平の家族と楽しげに写る写真が展示してあるが、
人気の下るのが早く、失意のうちに世を去った千夜子を知る人は少ないようである。
今は「東京行進曲」と「東京音頭」を混同する人が多いという。
我が手許にあるレコードのレーベルをお見せして、
晋平・千夜子の昭和を偲ぶよすがにしたい。